発見@「わかってくれない!」という怒りは「弱いものいじめ」かも

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vol.3『「わかってくれない!」という怒りは「弱いものいじめ」かも』

臨床の中で、あるいは普段の日々の中で発見したことをシェアするコラム。水曜日に更新していきます!

 

こんにちは!大嶋信頼先生開発「心に聞く」&「FAP療法トラウマ治療」専門のカウンセリングオフィス『リベレスタ』代表・原口実紅です。 

 

わかってほしい!はいじめ!?

相手に「わかってほしい!」と求めて、相手を責めてしまうのって、実は「弱いものいじめ」なんです。

なぜかというと、そう思うのは、相手と比べて自分の方がレベルが上だから。

自分と同等のレベルだったらとっくに「あ、あるほど!」とわかってしまうのですが、相手とレベルが違えば「わかろうとしても、わからない」話なんですよね。

だから、相手は「わかってくれない」のです。

そして、こちらが「自分が上」だということになかなか気づけないと、それを見て「なんで、ああしないんだろう!」「こうすればいいのに!」「どうして、やってくれないんだろう!」と怒りを燃やしてしまうんです。

しかも、相手にもプライドがあるので「わかってないわけないでしょ!」と振る舞います。もしくは、あなたを思う気持ちがあって「わかろうとすれば、わかるはず!」と一生懸命わかろうとはするのです。

でも、それって実は、難しいことなんです。

小学1年生に数学を教えて「なんでわからないんだ!」って怒っても、まだ足し算も引き算も習っていない状態だったら当然で、怒ってしまったら「弱いものいじめ」になってしまうのと同じ。

でもこれが学年みたいに分かりやすければいいんですけど、実は年齢や性別や肩書きなど、見てわかるところで、このレベルってわからないんですよね。

ましてや、年齢や経験、立場の上下も関係ないのです。だから大人が子供を弱いものいじめするときもあれば、子供が大人を弱いものいじめしてしまうときもあるのです。

 

「なんで?」と思ったら要注意!

誰でも、秀でているポイントがあって、しかもそれは人それぞれ違います。そのため、誰でも「ここのポイントでは突出している!」という場所があるのです。

それを判明させるのは、相手の行動に「なんで?」と不可解を感じた時です。

わかりやすく言えば、「なんで目の前に鍵が置いてあるのに探しているの?」という状態。

自分からは鍵は見えているんだけど、相手からはそれが見えないのです。

そして「鍵が目の前にありますけど」と教えてあげれば、その時は気づけるのですが「次からは自分で鍵を見つけられるようになる」ことは難しいんです。

そして実は「鍵が目の前にありますけど!」という発言自体が、優しさではなく、いじめになってしまう場合があるのです。

それは根底に「相手は自分と同等か、それ以上」という感覚がある時。

「あなたは『すごい』はずなんだから、本来これくらい出来るんでしょ」と言うのは一見、相手に対する優しさや、良い期待のように思えますが、それをやられた相手は「いじめられている」と感じます。

そして、受動的攻撃(わざと仕事をしないなど)をしたり、矛盾したことを言って混乱させてきたり、こちらを陥らせようとしたり、攻撃的な発言をするようになったりしてしまうのです。

それに対して、心の中で「なんで私にそんなことするんだろう!?」と怒れば怒るほど、相手の攻撃は、ますます激しくなっていくんです。

 

優秀な人ほど「なんで!」の怒りを燃やしやすい

そのため、他人より秀でているポイントが多い、優秀な人ほどいつも「怒っている!」ということになります。

しかも、一見そういう人は優秀に見えないことも多いです。(嫉妬されてみすぼらしくなっているので)

しかし、優秀でもあんまり怒ってない人もいますよね。何が違うのでしょうか?

 

逆・優劣の錯覚

ここで、自分より本当は劣っている相手を「自分より同等か、上なはず!」と錯覚してしまう「逆・優劣の錯覚」の問題があります。(私が勝手にそう呼んでいるだけですが、大脳基底核と前頭葉帯状回の接続に関係していると言われていて、この接続がうつ病に関係しているとも言われています。)

根拠もなく「誰しもが、自分よりも上」という気がして、どんな相手でも、その人の言うことをよく聞いてしまい、真に受けて、自分と違えば「私が間違っているのか?」と反省し自己嫌悪してしまう。

優秀な人にこの「逆・優劣の錯覚」が加わってしまうと、弱いものいじめ!の怒りが止まらなくなります。

 

とある学生さんのクライアントさんが、両親に対して「なんでわかってくれないの!」と怒ってしまう、と言うことで困ってらっしゃいました。

話を聞いているとそのクライアントさんは「天才だ!」という感じですので、実はご両親のレベルをはるかに超えていらっしゃるのです。

しかし天才であるがゆえに集団で嫉妬されますから学校にも通えなく、本人は「ダメな自分!」と思っているので、「私よりまっとうな両親は、年齢も大人だし、当然自分より上!」と錯覚を起こしてしまいます。

そうすると「どうして、そんな非理論的なことを言うのか!?」とか「間違っているアドバイスなのに、言うことを聞かなきゃいけない!」と言う、苦しい状況に陥ってしまうのです。

そこで「心の中で、親を『本当は5歳』だと思う!」ということをやってみていただくと、怒りがわかなくなるんです。原因は錯覚なので、そのクライアントさんの能力と比較すればそのくらいに思っていただいたほうがちょうど良いんですよね。

 

相手に同じレベルを求めるのはいじめ

わかってくれない!という場面以外にも、困っている相手に対して「こう考えればいいのでは?」とか「こうすれば楽になるよ!」とか、相手に自分と同じレベルを求めるのって、一見、相手のことを考えていたり、相手のことを思っているように見えて、実は「弱いものいじめ」なんですよね。

それがわかると、相手に「求める気持ち」がスーッと収まっていきます。誰だって「弱いものいじめなんて、したくない!」と思いますからね。(収まっていかない場合には、その怒りにトラウマの問題など別の要因もあるのかもしれません。)

ちなみに、逆・優劣の錯覚を起こしていない状態で、相手にもわかりそうなことやできそうなことを助言する、ということなら、いいんですけどね。(そこには相手を尊重する気持ちがあるので)

 

立場が相手の方が上であったり、年齢や経験が上であったりしても、相手より自分の方が知能や能力、才能などが上だという可能性が大いにある、ということ。

そして、その相手に自分と同じレベルを求めてしまうことは、相手にとって「いじめ」に感じられてしまい、攻撃を招くということ。

このことを意識して見ると、「なんでなの!?」という怒りから、「よく頑張っているな!」という尊敬に、相手に対する感情が変わります。

その時に、相手との関係もスムーズなものに変わって行くんです。

 

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