ゆるんでいく日々

心理カウンセラー原口実紅のブログ

身体症状と心理療法(4)画期的な治療法

神奈川・湘南の心理カウンセリング、心理療法FAPでのトラウマ治療

こんにちは!大嶋信頼先生開発「心に聞く」&「FAP療法トラウマ治療」専門の心理カウンセラー原口実紅です。

 前回の記事の続きです。

画期的な治療法

この本で画期的なのはその治療方法で、ここでは薬物療法理学療法も用いられない。必要なのは教育(症状に対する理論的な理解)と、その教育内容について芯から納得するための行動(脳に話しかける等)のみだ。
実際に自分は、このやり方で、ふとした瞬間の腰の痛み、頭の重さなどに対応してみたところ、見事に痛みが消える。それも数秒以内にだ。
自分で痛みが減っていくのが体感できる。これはなかなかに衝撃的な体験である。

 

適応範囲

書いていある内容について、私自身全部その通りだと鵜呑みにするつもりはない。しかし、主旨部分のメカニズムについては効果を考えると無視するのはあまりに勿体無いと感じる。
医師だからこその、生理学的検証があることで診断が科学的に裏付けられている部分は信頼に値するし、また、裏付けがない未検証部分についても、誰か検証するべきである、ぜひ検証していきたい、と感じさせる。
特に心理学部分においては、最新の心理学を含めた形で検証するべきだ。

ちなみにこの理論の適応範囲は本によると以下の通りである。

TMS(本書中で提言される新しい疾患名:Tension Myositis Syndrome

腰下肢痛の大部分、頚部痛、肩痛、上肢痛の大部分、脳神経が関与している症状(三叉神経痛・顔面神経麻痺)、線維筋痛症、緊張性筋痛症、筋筋膜痛症候群、顎関節症候群、腱炎の大部分、手根管症候群、反復性ストレス障害、反射性交感神経ジストロフィー、ポリオ後症候群、慢性疼痛の大部分、慢性疲労症候群と呼ばれる症状の大部分、エプスタイン・バー・ウィルス症候群

TMSの等価疾患

消化器系疾患、循環器系疾患、皮膚疾患、免疫系疾患、泌尿生殖器疾患、良性の心機能障害、その他(胃酸過多、胃十二指腸潰瘍、裂孔ヘルニア、痙攣性大腸、過敏性腸症候群、花粉症、喘息、前立腺炎、緊張性頭痛、偏頭痛、湿疹、乾癬、ニキビ、蕁麻疹、めまい、耳鳴り、頻尿など)

心の影響を考えるべき疾患(参考)

自己免疫疾患、がん、心血管系疾患

 

等価疾患というのは、原因(心)を治療しないと1つの症状が消えてもまた等価の症状が出る、という現象に基づいて提案されている。

このリストをみるにつけトラウマ治療のクライアントと無縁とは思えない。この仮説をぜひ臨床で使ってみたい、その思いは抑えられず、痛みで苦しむクライアントを前に、簡易的にでもこのメカニズムを使って、痛みの軽減を試みてみずには居れなかった。

 

心理臨床における検証

ケース1

治療中に、突然始まった頭痛を訴えるクライアントに対して、

  • 痛みの役割は防衛機制であり、抑圧された感情から目を背けるために出ている
  • その選択は自動的な脳の働きによるもので、あなたは何も悪くない

という2点を伝えた上で、無意識を使って防衛機制の役割を外すよう、脳に働きかけた。(この場合の「無意識」は現代催眠的な無意識であり、フロイトのそれとは厳密には異なる)
その結果、驚くべきことに痛みが軽減したが、同時に抑圧していた感情に対し「変な感じがして怖い」とのことだったので、再び無意識に「痛みを感じても構わないので再度防衛をしたい」と伝え、試みは中止した。しかし、中止した後も痛みが増大することはなかった。

ケース2

身体の片側に筋肉痛と関節痛が出ていて辛い、という主訴が出たため、TMSと仮説を立てて治療を行なってみた。
前述の2点を説明したのち無意識を使って防衛機制を外すよう脳に働きかけた。しかし若干の痛みの軽減しか感じられず、防衛機制を外すことに「駄々っ子のような」葛藤があるとのことだったので、少し作戦を変えてみた。
無意識から自律神経に働きかけ患部の血流量を増やすよう働きかけてみた。すると痛みは大きく軽減した。(ここでは詳しく述べないが、TMSの痛みを生むメカニズムの中に、該当箇所の血流量低下による酸欠が関係している)その後、痛みの概念について私との会話を続けていると、クライアントから「話している間に痛みがどんどんなくなっていく」とフィードバックがあった。
血流量を増やし痛みが改善したことで、クライアントの中で理論への信頼が高まり、防衛機制としての役割についての納得が深まったことも合わせて、痛みも軽減していったのだと思われる。

ケース3

トラウマ治療を継続して少し経った頃に、体のある部分に痺れが広がっていてそれが気になる、とクライアントからの主訴にのぼった。症状の発症した時期や経緯などを鑑みて、心因性の症状だと仮説を立てて治療を試みた。
痺れの目的が防衛機制である可能性があることを伝え、無意識に対して「抑圧された感情を、痺れの代わりに感じたい」と伝えた。しかし「そんな感情はない」や「その必要はない」との答えが返ってきてしまった。その後の治療の方向を考えあぐねている間に、クライアントからのフィードバックで「でも痺れが少し軽くなってきた」と軽減が確認されたことから、その後も無意識への語りかけを、角度を変えながら続けてみたところ、痺れは消失した。

 

いずれのクライアントにも、今後症状が再発した場合のために、メカニズムと対処法を簡単に伝え、個人的にも対応できるようになっていただいた。
どのケースも心理臨床の時間内で試みたものである。
痛みの軽減が、その場ですぐ実感できることは驚きであるし、その驚きはクライアントも同様であるようだった。

 

次回、検証で感じたこと~無意識を使う!へ続く…

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Erol Ahmed

 

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