ゆるんでいく日々

心理カウンセラー原口実紅のブログ

身体症状と心理療法(3)本を読んだだけで、痛みがなくなった

神奈川・湘南の心理カウンセリング、心理療法FAPでのトラウマ治療

こんにちは!大嶋信頼先生開発「心に聞く」&「FAP療法トラウマ治療」専門の心理カウンセラー原口実紅です。

 前回の記事の続きです。

本の効果

結論から言うと、連載冒頭の通りである。読んでみると腰が痛まなくなってしまった。正確にいうと、痛みをコントロールできるようになってしまった。痛みが出た時に自分の中で、ある心理的プロセスを踏むと、痛みが消えるのだ。すぐに効果が出たのは、前提としてFAP療法の治療を受けたことが大きいが(このことについては後述する)それにしても簡単に痛まなくなったのでビックリした。

なお、関連単語をウェブ検索すると、健康関連のアフィリエイトなどで著書の意図を正確に伝えていないページが多く見受けられるので、できれば原典をあたっていただきたい。

私はこの本の内容に対して手放しで同意をしているわけではないが著者の対処療法ではなく根本治癒にこだわる情熱と、科学的であろうとする誠実さ、そして書いてある内容の革新性と効果に、大きな感激と尊敬を感じた。

 

痛みは防衛規制

この本の画期的なポイントは、心身相互関係にまつわる考え方の中でよくある「痛みは、怒りや悲しみが体に現れたもの」とか、「体や心のメッセージを聞けば痛みは治る」という考え方とは全く違い、「痛みは、心から目をそらすための脳の防衛機制」と言い切っている点だ。

これは、似ているようだが、基づく治療法は真逆になる。痛みが生じたときに前者の考え方だと「身体を入り口にして、心に注目する」ことが治療法になるが、後者の考え方であれば「身体を無視して、脳と心に注意を向ける」ということが治療法になるからである。

防衛機制とは、フロイトが提唱した、受け入れがたい状況または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的なメカニズムのことだ。
この本の理論によれば、その心理的な働きは全て脳の無意識下で行われ、私たちが選択する自由はない。感情は気づかないうちに抑圧され、その代わりに痛みが出てしまう、ということだ。
抑圧された感情は、常に意識上に浮上しようと暴れるため、その感情が大きければ大きいほど大きな痛みを必要とする。
心理学に詳しい方であればフロイト転換性障害の治療と重なるかもしれない。ちなみにこの本で基本となる心理学はフロイトである(彼は心理学の専門家ではない。医者だ。よって最新の心理学による検討を彼自身が求めている)
著者の主張は、現代人は誰しもが不安や怒りを感じており、多かれ少なかれ皆が神経症(現在の転換性障害)を経験している、と大胆なものだ。

ところで、よく聞く「痛みは感情が体に現れたもの」という考え方をもし採用するなら、心の中の怒りや悲しみが消えれば症状は消えるはずであるが、私個人の経験を申し上げると、心理療法を受けて心理的な問題を解決することと、痛みの軽減は正比例しないように思われる。それに「怒りや悲しみ」を消すなんて芸当は、難しいことだ。生きている限り、新しい不安や気がかりは誰でも起こすし、出家僧のように自己改革にだけ時間を使えるわけでもないのだ。
それをしないと症状が消えないなら、もはやほとんどの人にとって治癒は難しいのではないか?そして、真面目な人ほど「症状が消えないのは、自分の感情のせいだ、修行が足りないからだ」と自分を責める材料にしてしまうという弊害もある。

一方、「痛みは心から目をそらすための脳の防衛反応」という考え方では、悪いのは脳である。防衛反応は脳の無意識部分の働きに過ぎないと説明される。そしてその反応は無意識下で行われるため、患者個人に責任はない。感情の中でも「怒っている」「悲しんでいる」と言う自覚的な感情は問題にならず、ただ無意識下で抑圧された感情(何かはすぐにはわからない)が作用して痛みを引き起こす。
患者はただ「抑圧された感情の代わりに痛みを感じるのはやめたい」と脳に命令すればいいだけだ。ほとんどの場合は抑圧するに値しない怒りや不安に対して、脳が過剰に防衛しているに過ぎないことがわかる。(ただし例外もあり心理療法を併用する必要があるケースも存在する・後述)

この考え方を踏まえると、前に述べたクライアントのつぶやきを受けて心(無意識)に聞いた答えに、納得がいく。
痛みや身体的症状は「心因性だ」が、発症するまでのプロセスには自覚的な意識が関与する余地は与えられず「自分の願望で病気を発病させることはない」のだ。

 

次回、画期的な治療法!へ続く…

f:id:micu_h:20170804142036j:plain

Ben White

 

リベレスタのお知らせ

「心に聞く」ゼミ

人を自由にしてしまう「心に聞く」をやってみたい方、詳しく知りたい向けに書きました。背景理論から実践までブログ記事でご紹介しています。

FAP療法カウンセリング

リベレスタセラピールームでは、「心に聞く」などを使った最新のトラウマ治療<FAP療法>の心理カウンセリングを提供しております。神奈川県・新横浜での直接面談だけでなく、スカイプなどの通信面談にも対応しております。

<受付時間>
受付時間